色んな人がいますね(´ω`) 4
扉を開け、奥を覗き込んでいた彼女は、やがてそこから小さなガラスの入れ物を取り出し、再び部屋のこちら側まで無言で戻ってきて私の手にそれをそっと押しつけました。
「あなたも古い物が好きみたいだから、よかったらこれアメリカの新しいおうちに持っていってくださらない?」それはポーランが祖母から譲り受けたという蓋付きの小さなムタルディエ(芥子入れ)でした。
「そんな大切な家族の物を」と私が恐縮すると、
「髪がグレイになってからは物を整理していく方向に向いたっていったでしょ。同じ整理するのならやっぱり物が好きな人にもらってもらいたいと思うのよ。これ、最初についてたはずのお匙がなくなっちゃったんだけど、そうね、螺釦の小さなスプーソなんかが合うかしら。アンティーク屋さんでいいのが見つかるといいけど。新しい土地での幸運をお祈りするわ、頑張って」
と微笑み、そのか細い腕で私をぎゅっと、思い切り抱き締めました。